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とある衣料品屋さんで服を見ていました。 こちらも、日本と同じく売り子さんが近寄ってきて、値段を言ってくれたり、商品の良さをアピールしてくれたりします(‘押し’の強さはモチロン違いますが)。 洋服を眺めていたのですが、不意に私は顔を上げて売り子さんの方を見ましたら、彼は大口を開けて奥歯に詰まった何かを取ろうとしていました。 もちろん、サッとかれは‘売り子’に戻りましたが、その端正な顔(まだ若かったです)に、あまりにもそぐわない行為-奥歯に手を突っ込む-を目にして、キツネにつままれたような、なんともいえない気持ちになりました。 ここまでは、まぁ事故というかなんというか、日本でもないことはない出来事だと思うのですが、この後が「インド」でした。 この後に続く展開は-私に刷り込まれているのは-彼がちょっと苦笑いしたり、バツが悪そうな顔をしたり、つまり、ちょっとだけ気まずい空気が流れるか、または(関西ならこちら?)、お互い「見ちゃった」「見られちゃった」と、妙に親近感が湧いたり、、、というものです。 ところが、ナイ。 そういうものがマッタクない。 しらばっくれている訳でもなく、何事もなかったかのように彼は‘売り子’です。(この後、私は何度か‘ダルマさんが転んだ’式に彼をチェックしましたが、奥歯掃除はしませんでした) ふと、ジクソーパズル的に、私の中で何かが像を結びます。 インド人は、寛容です。 何に? 身体的欲求に、、、固いですね。 つまり、「オナラ・アクビ」などなど、体から自然に発せられる現象に、とても寛大です。 昔、(@インド)キレイなサリー姿の女性がソファーに座り本を読んでいました。彼女はふっと腰を上げると、ホーヒしたのです。 一瞬何が起こったのかわからないほど、私は驚きました(まだ子供でした)。放屁、、、しかもキッパリと。 数え上げればきりがありません。 そういえば、今回のインド報告記で、警察署の女性が仕事中に歌を歌った、と怒りを交えて書きましたが、あれからしょっちゅうそういう場面に出くわしました。 商談の最中に、ちょっと間が空いたら鼻歌をハミング、店員がレジ打ちしながらハミング。 もちろん、厳粛な場面では違うでしょうけれど、インド人は、カラダが「これしたいよ~」ということを、あまり押さえつけないように思います。 日本にいるときは、さしてシンドイとか窮屈とか思ったことはありませんでしたが、一度この空気を味わってしまうと、それが許されない環境はキツく感じてきます。 パンプスからスニーカーに履き替えたときの気分。男性なら、スーツからポロシャツに着替えたときの気分でしょうか。 「らくぅ~♪」という開放感。 人に与える印象はいいものではないですが、インドのこんな習慣は、心身のネジをゆるめてくれるので、私はけっこう好きです。
by tarat-tara
| 2011-11-01 13:20
| インド
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