アート活動家・言葉の仕掛け人
by tarat-tara
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公園とパブ |
at 2015-11-20 22:11 |
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私が好きな、谷川俊太郎の詩を思い出した光景です。
『花三題』
摘んでから兵士は
その花の名を知らぬことに 気付いた
国にいる女への手紙にその花をはさみ 名を教えてほしいと書いた
返事が来た 誰もが知っている ありふれた名だった
その時 一発の弾丸が 兵士のこめかみを貫いた
ひとたばの わずかな野花を頭上に高くかかげ
少女は荒野を走ってきた
ただそれだけの情景しか浮かばなかったが
ただそれだけの情景ゆえに
男は死ぬことをとどまった
外には雪が降りしきっている
生まれたばかりの赤ん坊の
おぼろげに明けゆく視野にうつる
母の乳房とその向こう
窓辺の一輪のバラ
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